いくつになっても心にきらめきを。

KiraView TO READ INSPIRING TALKS, RECEIVE NEWS AND UPDATES


gourmet
日本の手仕事を味わう
極上お取り寄せ調味料
郷の風薫る オリーブオイルの物語
TEXT:河﨑志乃 PHOTO:鈴木ジェニィ・小豆島カメラ
百年以上の時をかけて「日本の調味料」へ。今や世界で評価される国産オリーブオイル
オリーブの木が日本の土に初めて根づいたのは、1908年( 明治41年)のこと。海を渡ったその小さな苗木が育ったのは、潮風香る瀬戸内の小島・小豆島でした。それからおよそ120年、台風や病害虫と向き合いながら、オリーブは静かに日本の国土へ広がり、いまや16の県で実を結んでいます。清らかなその味わいは世界の品評会で高く評価され、地中海産のものとはひと味違う「日本らしさ」が、世界からも注目を集めています。今回は100年の歩みをたどりながら、郷の風とつくり手の想いが込められた選りすぐりの3本をご紹介します。

1908年(明治41年)、当時の農商務省の主導で三重・鹿児島・小豆島の3つの地に、アメリカから海を渡ったオリーブの苗木が植えられました。とはいえ、台風や病害虫の被害に栽培を阻まれ、根づき育ったのは瀬戸内の小島、小豆島だけだったと言われています。当時の国産オリーブオイルは、主にイワシやマグロの油漬け缶詰に使われ、日本の食卓を陰ながら支えていましたが、1959年(昭和34年)の輸入自由化で安価な外国産オリーブオイルが大量に流入し、国内の栽培は一時、急速に減少しました。
転機となったのは平成の健康食品ブーム。バブル期の「イタメシ」人気を機にパスタなどのイタリア料理が家庭で定番メニューとなったことも相まって、国産オリーブオイルが再び脚光を浴びます。それからオリーブの郷は日本全国に広がり、いまや16の県で銀葉の果樹が実を結ぶようになりました。
日本の穏やかな気候が育んだ果実を、手作業で丁寧に搾り、珠玉の一滴を生み出す日本のオリーブオイル。「ロサンゼルス国際エキストラバージンオリーブオイル品評会」では2012年に金賞、2015年には金賞の中の金賞「ベストオブクラス」を受賞し、日本のオリーブオイルの金字塔となりました。世界最大規模の国際コンテスト「OLIVE JAPAN®」でも、2026年大会では金賞・銀賞を獲得。いまも高い評価を受け続けています。
生産者のたゆまぬ努力が生み出す、清らかな日本のオリーブオイル

日本のオリーブ栽培は、台風や病害虫などとどれだけ賢く付き合えるか、という試行錯誤の歴史でもあります。風当たりの強い土地は避け、支柱と剪定で樹を支え、病害虫には薬剤に加えてこまめな捕殺と早めの収穫で対抗してきました。また、2021年には病害(炭疽菌)に強い日本独自の品種「香オリ3号(愛称:せとみどり)」「同5号(愛称:オルビーナ)」が誕生。生産者や研究者たちのたゆまぬ努力が、各地での栽培を可能にしてきたのです。そうして育てられたオリーブは、秋の収穫期に実を一粒ずつ手摘みし、酸化が進まぬうちに搾られます。小規模で誠実な手仕事。それこそが、日本のオリーブオイルの特徴です。
日本のオリーブオイルは、雑味のないクリアな味わいが持ち味。繊細でありながら豊かな香りは、地中海とは異なる日本ならではの清らかさがあり、料理に華やかさと奥深い味わいを与えています。和食とも見事に調和し、素材本来の旨味を優しく引き立てます。先人たちの情熱と、美しい風土が息づく日本のオリーブオイル。100年を超えて生きるオリーブの樹の物語が、いまも日本の各地で育まれています。

各地の風土を感じる KiraViewおすすめの3本
小豆島から始まり、今や北は宮城から南は沖縄まで、日本各地で育まれるオリーブオイル。気候やつくり手によって味わいは千差万別で、郷の風や水、土を感じさせる個性豊かな風味が一滴一滴の中に込められ、それぞれが他にはない輝きを放っています。その中から今回は、Kira View厳選の逸品をご紹介。甘い香りとマイルドな味わいの「手摘みエキストラバージンオリーブオイル(小豆島)」、瀬戸内の潮風を感じる澄んだ味わいの「安芸の島の実 江田島搾り(広島)」、生ジュースのようなフレッシュ感と辛味のバランスが魅力の「静岡産エキストラバージンオリーブオイル」の3本です。
小豆島
甘い香りと、コク深い味わいで料理に寄り添う
手摘みエキストラバージンオリーブオイル
小豆島オリーブ

45.5g 1,728円
小豆島オリーブは、日本オリーブ発祥の地・小豆島でその歴史をスタートしました。小豆島は、温暖寡雨の瀬戸内気候に恵まれ、地中海に劣らぬ実りを育みます。1950年(昭和25年)の創業以来、オリーブ一筋に歩んできた老舗が大切にするのは、品質へのこだわり。自社農園での収穫はすべて手作業で実に傷をつけぬよう、指先に神経を集中して一粒ずつ摘み取ります。
小豆島産「ミッション種」の新緑の果実だけを、低濾過製法で搾った「手摘みエキストラバージンオリーブオイル」は、まろやかで澄んだ口当たり。シナモンやスペアミントを思わせる甘い香りと、コク深い味わいが特徴です。香りを抑えたマイルドな口当たりでサラダ油がわりに揚げ物や卵焼きなどにも使え、毎日の料理にそっと寄り添ってくれます。2026年、世界最大規模の国際コンテスト「OLIVE JAPAN®」で金賞を受賞。日本のオリーブのふるさとが生んだ、毎日の食卓を彩る名脇役です。

小豆島オリーブ
香川県小豆郡土庄町甲1360-95
TEL. 0879-62-1277
https://www.s-olive.co.jp/
静岡
生き生きとした香りと、喉に心地よく響く辛味
静岡産エキストラバージンオリーブオイル
CREA FARM

50ml 2,160円・100ml 3,672円
CREA FARMは、富士山を望む静岡への深い愛と、本場 オリーブオイルの鮮烈な香りに心を動かされた代表・西村やす子氏の「静岡から世界に誇れるオイルを」という情熱から産まれました。当初は、専門家から「静岡でオリーブは無理だろう」という声が。しかし世界のオリーブ園を自ら訪ね歩き、著名な栽培家の指導を受けて築いた栽培法は、静岡市・日本平と藤枝の広大な農園に6品種の実りをもたらしました。3年目に初収穫を迎え、黄金のオイルが生まれた瞬間の感動は、いまも忘れられないのだそう。
収穫から24時間以内に搾られ、年ごとに味わいの個性がある「静岡産エキストラバージンオリーブオイル」。2025年収穫分は、トマトやバナナを思わせる生き生きとした香りと、喉に心地よく響く辛味をたたえています。普段の和食にひと回しすれば、食卓がたちまち華やかに。海外の品評会やイタリアの格付け本でも高い評価を得た、静岡の情熱が生んだ逸品です。
.jpg)
CREA FARM
静岡県静岡市葵区追手町1-13 アゴラ静岡ビル6階
TEL.054-266-6853
https://style.creafarm.jp
広島
やわらかな苦味と爽やかな辛味のバランスが絶妙
安芸の島の実 江田島搾り
江田島オリーブファクトリー

100ml 4,200円
2011年、地域を元気にしたいという想いからスタートした安芸の島の実プロジェクト。使われなくなった耕作放棄地をよみがえらせようと植えられたオリーブは、雨が少なく日照時間2,000時間を超える瀬戸内の風土に恵まれ、地中海沿岸に劣らぬ実りをもたらします。つくり手が何より大切にするのは品質。手袋をまとい、一粒一粒手摘みした実から傷や虫食いのないものだけ選んで、その日のうちに搾る「時間と酸化との戦い」の日々。イタリアから学んだ技術とともに、島々に点在する小さな農園から、香り高いオリーブオイルが生まれています。
広島県産のオリーブを100%使用した「安芸の島の実 江田島搾り」の味わいは、柔らかな苦味と爽やかな辛味のバランスが絶妙。冷奴やお味噌汁にひと足しすれば、たちまち瀬戸内の風景が広がるよう。
イタリアの国際コンテスト(2019年)で2部門1位を獲得したこの一本に、地域への愛が込められています。

江田島オリーブファクトリー
広島県江田島市大柿町大君862番3
TEL.0823-57-5656
https://www.hiroshima-olive.jp/?mode=f6
津々浦々でそれぞれの輝きを放つ日本のオリーブオイル。後編では、「カラダに嬉しい」と言われる秘密や本場・地中海での食べ方に加え、KiraViewがおすすめする和食やデザートとのマリアージュをご紹介します。
取材・テキスト:河﨑志乃
「衣食住医」のフリーライター。早稲田大学 法学部卒業。20年以上にわたり雑誌、書籍、Web、SNS、動画シナリオなど多様な媒体で企画・取材・執筆を行う。ミシュランシェフ、生産者、研究者、経営者、医師など、さまざまな専門家への取材経験豊富。ライターのほか、テレビでのフードコーディネートや食のイベント企画、レストランコンサルティングなども行う。
PICK UP 注目記事
アレクサンドル・カントロフ インタビュー
ⓒ︎Sasha Gusov
極上お取り寄せ調味料
カルチャー散歩:札幌
谷川俊太郎公認カフェ「俊カフェ」
health&beauty
今夜の眠りが楽しみになる大人の睡眠レッスン
Sasha%20Gusov_JPG.jpg)





