昔、一軍で使っていたマグカップ。

KiraView編集部は現在、吉祥寺にあります。 80年代から90年代にかけて、サザビーのアフタヌーンティやF.O.B COOP、サンデーブランチをはじめとした、オリジナル雑貨や輸入家具を編集した店にカフェを併合したshopが都内には、多くありました。
まだ、表参道には、同潤会アパート(現在、表参道ヒルズの場所)がまだあり、
渋谷のファイアー通りには、LIVE LABORATORY があり、明治通りにはzakka、文房具のFLAGS、ちょっと入ると ”Nice”もあった雑貨黄金時代です。今や雑貨は100円ショップ時代。当時は信じられないくらい個性的なものばかりでした。
雑貨カフェではエスプレッソや、オランジーナ、生クリームがドカンと盛られたバナナケーキやスコーン、BLTなどをドキドキしながら食し、センス良く編集されディスプレイされた舶来品感満載の雑貨が、同じスぺ―スに並ぶ。私たちがほしいものが、そこに全部あるんですから、「オリーブ」をはじめとして雑誌がこぞって取り上げたわけです。雑誌の編集者になりたいと思ったのも、雑貨スタイリストという職業をわたしが初めて知ったのもこのころです。
吉祥寺には、「ペンギンカフェ」という雑貨店カフェがありました。
1階が中古レコード屋さんの古いビルの階段を上り、扉を開けると、
漆喰の壁に、ブリキと真鍮とパイン材で作ったオリジナルのスタンドの明かりに、
モスグリーンのソファーとテーブルが置かれたカフェフロア。アルミのトレーで提供され
カウンターもあり、スタッフは思い思いのベレーかハンチングをかぶっていた気がします。
カフェと同じビルに「ペンギンカフェTWO」というオリジナルの雑貨店もあり、カフェで使う食器やインテリアがそのまま販売していました。黒のロゴ入りナイロンバッグは、いつも使っていたことを書きながら思い出しました。吉祥寺の「ペンギンカフェ」は、通っていた学校が近いこともあり、すこしおしゃれな大人になれる、格好をつけていくいわゆる「ハレ」の場でした。 先日、捨てられずに残っていた古い食器を片付けていたときに、なぜか、30年以上(!)も前のペンギンカフェのマグカップが出てきました。これをきっかけに、いつも使っているマグカップをいったん横において、また使い始めました。使うたびに、ペンギンカフェに通って、マグカップを使っていた当時の友人のことを思い出すようで、不思議な気分に。疎遠になってしまった人たちの横顔と名前と焼き付いていた映像が、そのカップで飲むコーヒーの香りで、思い出し、「あいつに連絡してみようかしら・・・」とブレイクのおともに。
そんな矢先に、高校時代につるんでいた「あいつ」から連絡が(笑)。不思議なこともあるもんです。
周りにこんな話をしてみたら、「いつも自分の手元に置いてある一軍のマグカップは、お気に入りのものをかなり長く使うわよ。でも、ほかのカップに浮気され、一軍のベンチから外れたカップは行方不明になっていて、突然、戸棚の奥から姿を現すんだよねー」とのこと。
なんとなく捨てられないものは、捨てるのも選択肢ですが、 普段使いのマグカップは、再び一軍のベンチに入れ、改めて使うってのも、なかなかいいものです。



