「自分ひとりだし、簡単でいいか」
更新日:9月22日

ひとり分の食事になると、つい「自分ひとりだし、簡単でいいか」と、ありあわせで済ませてしまう。そんな日が続いていませんか。
家族のために腕をふるってきた人ほど、自分ひとりのためには手をかけにくいものです。でも、ひとり分のごはんこそ、自分をいたわる大切な時間。今日は、無理なく、けれど豊かに食べるための考え方をお話しします。
「手抜き」と聞くと、なんだか後ろめたい気持ちになります。けれど、ここで大切にしたいのは「手間ぬき」という考え方です。
手抜きは、自分への手間を惜しんで、なんとなく雑に済ませてしまうこと。一方で手間ぬきは、面倒な工程は上手に省きながらも、自分をきちんといたわること。同じ「楽をする」でも、心の向きがまるで違います。毎日きちんと料理をしなくてもいい。けれど、自分のために整えるという気持ちだけは、そっと残しておきたいものです。
ひとりの食事は、つい品数が減り、同じものに偏りがちです。研究でも、ひとりで食べる食事は食欲が落ちやすいと指摘されています。
だからこそ、少しだけ栄養を意識してみてください。健康長寿ネットによると、たんぱく質は体をつくり、筋力や抵抗力を保つために欠かせない栄養素です。卵、豆腐、納豆、魚、肉。手軽なもので構わないので、毎食ひと品、たんぱく質を添える。それだけで、食卓はぐっと頼もしくなります。自分の体を養うことは、これからを元気に過ごす土台づくりでもあるのです。
冷蔵庫に卵や豆腐、納豆を常備しておけば、忙しい日でもひと品すぐに足せます。缶詰のサバやツナ、冷凍の野菜も、心強い味方です。「ちゃんと作らなきゃ」と気負うより、「ひと品足す」くらいの軽い気持ちでいるほうが、長く続いていきます。
たとえば、市販のお惣菜に、ゆでた野菜や薬味をひとつ添えるだけで、ぐっと自分らしい一皿になります。休みの日に常備菜を作り置きしておけば、忙しい日も安心です。お気に入りの器に盛りつけたり、彩りをひとつ加えたりするだけでも、食事の楽しさは変わります。完璧を目指さず、「これならできる」を積み重ねていきましょう。
季節を取り入れるのも、楽しい工夫です。旬の野菜や果物をひとつ食卓に置くだけで、その時季ならではの彩りと香りが加わります。窓辺の見える席で食べる、好きな音楽を流す、お気に入りの箸を使う。そんなちょっとした演出も、ひとりの食事をやさしい時間に変えてくれます。



